1250405 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

Value Investment since 2004

Value Investment since 2004

株式投資のリスクと信用取引の有効利用

株式投資のリスクと信用取引の有効利用 2006/ 4/ 9

 僕にとってのリスクとは、マクロ的には、マーケット全体の短期的ボラティリティ(株価変動)、個別銘柄的には、予想業績(予想したファンダメンタルズ)が裏切られる(下方修正される)ことです。しかし、後述しますが、マクロ的リスクは、中長期的にはリスクとはなりません。

 まず、マーケットの短期的ボラティリティ(突発的暴落など)について。
 たとえば、3年前の市場平均PERが15倍であって、現在のPERが25倍であるとしたら、短期的(数ヶ月から1年程度)の調整があっても不思議ではないのです。マーケットが暴落して、業績好調でPER15倍の銘柄が、PER5倍まで売り込まれるなら、それは僕の投資戦術のリスクではなくて、株式投資を行うことに対してのリスクなので、それは甘んじて受ける覚悟はありますし、しかしそれは中長期的にはさほどたいしたことではありません。
 割安な株を保有している場合、これは中長期的にはリスクとはなりません。
業績好調でもともと割安な銘柄であれば、その配当利回りや、しばらくして(数ヶ月から数年のスパンで)マーケットが平穏を取り戻すときには、結局、投資をしていないより投資を続けていたほうが、資産は増加していたという結果になると思います。

 次に、個別銘柄のリスクに関して。
 投資している企業の予想するファンダメンタルズが裏切られる(下方修正等)ケースですが、まあ、これはその時点でのかすり傷もしくは確定利益の減少という手段で、大きな痛手は受けずに、もちろんマーケットから退場する事などなしに対処する事ができます。もちろん、上記の条件が成り立つのは、割安な株を(長期的にリターンが大きいと思われる株を)保有している必要があります。しかし、割高な銘柄を保有し、マーケットの不調に会えば、超長期的に投資資産が低迷する可能性が高いです。

 マーケットの好不調に左右されない、突発的リスク(ブラックマンデーのような)を避けるために、デイトレードなどの短期売買をしているという投資家も多いですが、そういった投資家はすでに、ゼロサムゲームで勝ち残るという、99.9%の投資家には不可能な世界で戦っているので、マーケットのリスクを避ける云々を言う前に、その数百倍のリスクをすでに毎日背負って生活しています。

 次に、僕が信用取引を行う理由ですが、それは至極当たり前な事ですが、現物オンリーでやっていた時よりも【パフォーマンスを向上させるため】です。
なぜこのような当たり前のことを強調するのかというと、信用取引を開始して、現物だけの時よりもパフォーマンスが悪くなる(資産が減る)投資家やマーケットから退場してしまう投資家が案外多いと思うからです。

 僕が、信用取引を利用する事でパフォーマンスが向上すると考えている根拠について。
 たかが4年ですが、されど4年と考えると、この4年間、株式投資によるパフォーマンスは、毎年平均株価をアウトパフォームし、現物のみで考えると、毎年50%程度の利回りはコンスタントに達成しているという事になります。つまり、ある年は200%のパフォーマンス、またある年は-50%のパフォーマンス、といったようなボラティリティの高いパフォーマンスではないという事です。ある程度安定して、市場平均を上回るパフォーマンスを残せてきたということです。

 逆に、僕の投資法では、現物のみで考えたとき、年間100%を上回るようなパフォーマンスはあまり期待できないという事もわかります。その背景には、投資戦術として、まずはローリスク(戦略的バリュー株をある程度分散投資する)から考えているため、そういった性格から、極端なハイパフォーマンスも狙えないと言えます。

 つまり、僕の投資法を簡単にまとめると、【ある程度安定したパフォーマンスだが、年間利回りは50%程度である】という事になります。そこで、このある程度安定している(ローリスクである)投資法に、信用によるレバレッジをかければ、年間利回りが現物の時よりもさらに良くなる確率が非常に高いという事になります。丁度、信用取引を開始した2005年の+94%のパフォーマンスは、現物で+50%のところに、信用レバレッジで+40%超上乗せする事が出来たというような結果が出ています。

 投資資産のボラティリティ( 資産の増減の変動幅)がそれほど大きくなく、安定している投資法ほど、信用によるレバレッジを有効利用できると考えています。しかしなぜか、ボラティリティの高いハイリスク・ハイリターン( ローリターン)の投資家ほど、信用のレバレッジを大きく効かせているのが現状のようです。



© Rakuten Group, Inc.